元早大監督・渡辺康幸氏に聞く 2020年箱根駅伝の見どころ
第96回東京箱根間往復大学駅伝競走は、例年以上の大混戦が予想される。2010年度に史上3校目となる大学駅伝3冠へ導いた元早大監督の渡辺康幸氏(46)は、今回も先頭の1号車に乗ってテレビ解説をする。
見どころを聞いた。
昨季初優勝の東海大は今季も全日本大学駅伝を制し、戦力は頭ひとつリードしています。青学大、東洋大、駒大、国学院大がそれに続き、「1強+4」という構図です。
優勝候補の筆頭に挙げられている東海大は、前回山下りの6区を走った中島怜利選手(4年)が故障の影響でエントリーから外れました。それでも選手層が厚いチームです。全日本大学駅伝の前には、館沢亨次選手、鬼塚翔太選手、阪口竜平選手、関颯人選手(全員4年)の四天王を欠く布陣では厳しいのでは……と思っていましたが見事に優勝しました。全日本でアンカーを務めて好走した名取燎太選手(3年)は、箱根では2区で起用できます。そうなれば、阪口選手を前回と同じ7区、8区には小松陽平選手(4年)を置ける。両角速監督は復路に絶対の自信を持っていますから、往路で2、3位なら逆転は可能。もしも往路優勝なら、総合Vはほぼ堅いでしょう。ただし、「往路が5番手ぐらいなら、10区までもつれるかもしれない」と両角監督は言っています。
ライバル校が東海大を崩すなら、予想外の区間配置などで往路のどこかで先頭に立ちたい。リードを保ったまま往路を終えれば、多少なりとも東海大に焦りが生まれる。復路でのオーバーペースに持ち込みたい。
国学院大は往路は強いですが、戦力的に見て、総合優勝まではどうでしょう。青学大、東洋大、駒大が往路優勝なら、復路の争いは面白くなります。