山口俊移籍のブルージェイズ 積極補強の裏に親会社の思惑
【親会社の思惑】
親会社はトロントに本社を置く大手通信企業のロジャーズ・コミュニケーションズ。携帯電話やケーブルテレビなど多角的に事業を展開するカナダを代表する企業だ。ケーブルテレビはトロントがあるオンタリオ州をはじめとする3つの州をカバーしており、約300万世帯が加入。
19年シーズンまで3年連続負け越しでア・リーグ東地区4位。2世選手を中心とした育成になると言われながら、このオフ、山口に加えて韓国人左腕の柳賢振(32=前ドジャース)、2年連続30本塁打のトラビス・ショウ内野手(29=前ブルワーズ)ら積極的な補強に動いているのは、ケーブルテレビのさらなる加入者増を狙ってのものらしい。
【パスポート】
大リーグ30球団で唯一、カナダ(オンタリオ州トロント市)をフランチャイズにしている。当然、遠征は全て米国との国境をまたぐため常にパスポートの携行が義務付けられる。米国への入国、出国審査は管理官がチームのチャーター便に乗り込み、手続きを行っている。
メジャーリーガーのパスポートはシーズン中、球団が管理しているため不便はないが、傘下のマイナーは1Aバンクーバーを除き米国内を本拠地にしている。そのためメジャーから急きょお呼びがかかっても、うっかりパスポートを忘れて米国から出国できない選手も中にはいるという。