正代が7勝1敗で優勝争い 鳴りを潜めた“ネガティブと悪癖”
「男子三日会わざれば刮目して見よ」
このことわざを体現しているのが、快進撃を続けている平幕の正代(28)だ。
19日は先場所に続いて、大関候補の朝乃山に勝利。相手の激しい突っ張りにも臆せず、逆に圧力をかけながら前進。左を差すと、すぐさますくい投げた。
これで7勝1敗。優勝争いのトップ集団を走るなど、場所前は誰が予想できただろうか。
「圧力が(相手に)伝わっていたのかな。左は自然に、自分の癖が出たんだと思う。落ち着いてやれた」
と話した正代。左を差すと無類の強さを発揮する半面、これまでは「悪癖」が足を引っ張り、星を伸ばせなかった。ある親方は「こんなにポジティブな正代は見たことがない」と、目を丸くする。
「以前の正代はネガティブな受け身の相撲が多く、素質の半分も生かせてなかった。せっかくのパワーがありながら、アゴを突き出し、背中を反らせて相手に当たっていたので圧力も半減していた。それが今場所は頭からとまではいかないが、顔を真正面に向けて胸から当たっている。相撲ぶりが変わったきっかけになったのは、先場所千秋楽の朝乃山戦でしょう。会心の相撲で難敵を下したことで自信がついたのではないか。前に圧力をかけながら左差しを狙う相撲を安定して取れるなら、大関も狙えますよ」