どこよりも早い春のセンバツV予想 軸3校・追う3校・穴1校
追う東海大相模、大阪桐蔭、智弁学園
3校を追うグループでは東海大相模(関東4強)だ。「流しのブルペン捕手」ことスポーツライターの安倍昌彦氏は、東海大相模についてこう分析する。
「今年は打高投低が顕著で、打ち合いの試合が多くなりそう。東海大相模は他校からのマークが厳しいと思うが、野手は高校通算53本塁打の西川らが全体的にスキルアップし、加藤という新たなスラッガーも出てきた。投手も諸隈、石田と左腕が2人いることはアドバンテージになる。打撃については、各校が夏に向けて状態を上げていく段階。春は①左投手②ストライクが取れる変化球を2つ持っていること③タイミングを外すのがうまいという3要素を持った投手を擁するチームは有利といえます」
3季ぶりに聖地に帰ってくる大阪桐蔭(近畿準優勝)も外せない。
前出の美山氏がこう言った。
「エース左腕・藤江が中心で、関戸、松浦、竹中ら1年生投手もレベルが高い。昨秋の近畿大会準々決勝で明石商のドラフト上位候補右腕・中森から一発を放った主砲・西野を中心とした打線も上位から下位まで切れ目がない。前チームは8年ぶりに春も夏も甲子園に出られなかっただけに、甲子園での戦いに飢えている。頂点しか見えていないでしょう」
智弁学園(近畿4強)も侮れない。
「昨夏の甲子園レギュラー4人が残り、打線は1年生4番の前川を中心に破壊力抜群。昨秋は守備面に不安があったが、同じ近畿勢の大阪2校に続くチーム力があります」(前出の関西地区担当スカウト)
■穴は鍛冶舎監督率いる県岐阜商
高校野球に詳しいライターの田尻賢誉氏は「県岐阜商(東海準優勝)がダークホースとみます」と、こう続ける。
「今年は突出した学校がなく、大混戦が予想されます。この春は打撃力が高いチームが目立つが、投手を中心とした守備力が高いチームが勝ち進むとみている。その中で面白いのは、鍛治舎監督率いる県岐阜商。実際、練習量は前評判が高い中京大中京、星稜を大きく上回る。年末年始は秀岳館時代と同様に宮崎で1週間ほど合宿を行った。森ら140キロをマークする投手が5人いて、主将で中軸を任されている佐々木は、鍛治舎監督がかつて率いた枚方ボーイズ出身の藤原(ロッテ)や小園(広島)を引き合いに、素質は2人以上のものがある、と評価している。佐々木を中心に、得意の継投がハマれば、良い戦いをするはずです」