著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

アンダーシャツに拡声器…サイン盗みはメジャー史の一部だ

公開日: 更新日:

 アストロズがビデオカメラを使って相手捕手のサインを解読し、ただちにアルミ製のごみ箱を叩く回数、あるいは笛を吹く回数で選手に伝えていたことが発覚、GMや監督のクビが飛ぶ事態になっている。

 今回アストロズが厳しい処分を受けたのは、2017年9月にコミッショナーから「電子機器を使ったサイン盗みをした球団はドラフト指名権の剥奪を含む厳しい処分を下す」という通達が出たのに、それを無視して大掛かりにやり続けたからだ。

 サイン盗みそのものはメジャーリーグの歴史の一部をなすものといっても過言ではない。1986年から16シーズン、ツインズの監督を務めた名将トム・ケリーは「サイン盗みは監督の仕事の一部だ。それをやろうとしないヤツは、仕事をしていないのと同じだ」と断言している。

 電子機器を使ったサイン盗みが初めて発覚したのは今から120年前の、1900年のことだ。フィリーズはスコアボードに望遠鏡を持った職員を置き、解読した相手捕手のサインをグラウンドに埋設した電線を通じて三塁コーチに伝え、コーチが身ぶりで打者にそれをリレーするという方法でサイン盗みをしていた。三塁コーチが立つ位置の下には電気がくると揺れる木箱が埋められていて、コーチは揺れた回数で球種を知ることができた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動