元ソフト日本代表の高山樹里さん “女大魔神”は今何してる
「障害者」という心ない暴言
取材後、記者も車椅子に乗りバッティングに初チャレンジした。ピッチャーは、もちろん高山さん。だが手加減してくれているのに、カスリもしない。
座ると勝手が違い手打ちになる。焦ってボールを追いかけると、ついつい立ち上がる反則行為をしてしまう……。
「初心者あるあるですよ。ボールをちゃんと見てくださいね」
高山さんの優しい声にサポートされ、最後の一球でようやくボテボテのショートゴロを打てたのであった。
そして休憩の直前。隣接する道路を通りかかった乗用車の窓が開くや、「障害者ー」という心ない暴言が放たれた。途端に高山さんやメンバーからほほ笑みが消えた。
彼らが戦うのは、自分自身や対戦相手だけではない。差別を公然と口にする人たちでもある、ということを肌で知った瞬間だった。
(取材・文=高鍬真之)