野村監督殺人事件 本人の逆鱗に触れ取材拒否を通告された
この情報と動脈瘤の危険を過大に解釈して、下手すりゃ野村監督「棺桶に入って帰国も」という、センセーショナルな報道をした。
それが野村監督の逆鱗に触れていた。しかし取材拒否まで、とは予想外だった。やむを得ず、監督の囲み取材を離れた。
アリゾナの空は青く、空気は乾燥して、さわやかな風が心地よい。2月とは思えない好天なのに、この仕打ちは参った。
■「そんなヤツと話すな」
仕方なく周辺取材。当時の主力打者、杉浦享に話を聞いた。新監督の印象など取材していると、遠くから監督の声。
「おーい、杉浦。そんなヤツと話すな。殺されるぞ」
100メートル近くはあろうかというクラブハウスの前から、両手をメガホン代わりにして、大声を上げたのだ。
やはり、野村監督を「殺した」のが悪かった。
しかし、野村監督殺人報道には、隠れた思惑があった。野村監督への期待が大きかったのだ。