著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

新型コロナウイルス感染拡大“戦争”がもたらした労使の連携

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 このような状況を受けて、米国の球界も非常の措置が取られている。

 大リーグ機構は公式戦の開幕を5月中旬としているものの、実際には「6月に開幕できればよいほうで、7月に開幕できるかも怪しい」という声が聞こえる。

■マイナーリーガー救済に大物代理人の提案

 また、大リーグ機構は大リーグと同様に開幕を延期したマイナーリーグに対し、選手への経済的支援を5月31日ないし公式戦開幕日まで延長することを公表した。

 一般にマイナーリーグは「独立採算」と思われている。だが、実際には年俸を大リーグ各球団が負担し、選手の育成をマイナーリーグ球団に委託している。マイナーリーグの公式戦が行われない以上、選手は無給になっても不思議ではない。しかし、大リーグでは選手に対して当初の開幕予定日から60日間分の給与が前払いされることが決まったことを受けて、マイナーリーグの選手に対しても同様の措置が取られたのである。

 あるいは「大物代理人」として知られるスコット・ボラスが大リーグ機構に、6月1日に開幕する162試合制と7月1日開幕の144試合制の案を提出したことも興味深い。

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