著者のコラム一覧
平井隆司デイリースポーツ元記者

1942年、大阪府出身。旅行会社に就職するも4年で退社、デイリースポーツへ。阪神の担当記者として数々の事件や騒動を取材。デイリースポーツ編集局長やサンテレビ常務など、神戸新聞グループの主要ポストを歴任した。著書に「猛虎襲来」「阪神タイガース『黒歴史』」。

藤浪コロナ騒動でも露呈 小林繁は「殺されたようなもの」

公開日: 更新日:

 2年後、小林は逃げるように退団し、建築費の億近い借金を返して細々と生き、57歳で人生の扉を閉じる。

「悪いタニマチに殺されたようなものだな」

 球団職員が小林を守れなかったことを悔いた。

 今から数えれば35年ほど前。阪神は選手の独身寮「虎風荘」の寮長などに甲子園警察の刑事(OB)を採用した。敗戦に怒る暴徒対策、選手の黒い交際の排除、選手の女がらみのスキャンダル対策、その調査等々。いわゆる悪からの防衛に手は打っている。だが、魔の矢は思わぬところからも飛んでくる。

 巨人―阪神戦の中継に1試合1億円の放送権料を払うテレビ局の古き良き時代、スタジオに呼ばれた主砲が打ち上げに誘われ、自分の車で出向いているのを承知しながらつい酒を飲み、局が用意したタクシーに乗らず、高速道路の入り口で捕まった。

■「あのバカが」

 酒気帯び運転。警察の幹部から「スターですから、強い言葉で叱ってください。マスコミもデカく扱いますから、抑止力になる効果が得られます」と言われたオーナーが真に受けた。

「あのバカが。バカが、バカが」

 以来、主力選手は戦意を失い、タイガースは泥沼に潜り込む。つまらぬタニマチよりオーナーまでが下手を打つ。お粗末である。 (おわり)

 =敬称略

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