インターハイ中止の余波「最後の夏」消えた高校生の処方箋
「とくに強豪校の選手は奈落の底に突き落とされた思いでしょう。指導者は一緒に悔しがってください。でも、いつまでも気落ちしていてもダメ。選手とともに考え、無から有を生む。人生はときに不条理なことにぶつかります。指導者は知恵を絞り、選手がアクションを起こす手助けをする。センバツが中止になった仙台育英の監督さんは、スポーツ推薦での進学を希望する生徒の練習や試合映像をまとめたビデオを各大学の野球部に送っているという記事を日刊ゲンダイで読みました。大学にアピールする機会を失った選手への配慮でしょう。不条理なことをどう乗り越えたかは必ず将来の役に立つ。選手も指導者も成長できるチャンスです」
追手門学院大学スポーツ研究センター特別顧問で、現在7人のプロゴルファーを指導する児玉光雄氏はこう語る。
「プロゴルファーはほとんどゴルフ漬けです。今はトレーニング量を落とし、ゴルフ以外のことを始めてはどうかと言いました。時間がなくて読めなかった本を手に取ったり、毎日、新聞を端から端まで読んでみる。自分がいかに物を知らないかが分かる。プロになる選手はひと握り。ほとんどは普通の社会人になる。将来を見据えて、視野を広げるチャンスと理解させれば今やるべきことは見えてくる。人生は長いのです」
指導者も「手腕」が問われている。