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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

160から120へ…大リーグ機構提案のマイナー球団削減が加速

公開日: 更新日:

 それでも、4月下旬には両者が合意に向けて前進していることを声明している。3月19日には5月31日かマイナーリーグの開幕日まで、マイナー契約の選手に毎週400ドルの手当の支給と医療給付を行うことを決めたのは周知の通りだ。

 マイナーリーグの選手は、ベネズエラなど感染の危険性の高い地域の出身者を除き、スプリングトレーニングの打ち切りとともに宿泊施設から退去するよう指示されていた。そのため、選手たちは2019年のシーズン終了後から無給の状態が続いていた。週400ドルの手当は決して多くはないかも知れない。だが、マイナーリーグの最低保証給与はA級以下が週290ドル、最上位のAAA級が週502ドルであることを考えれば、多数の選手がシーズン中よりも多くの手当を受けていることになる。

 こうした措置は、マイナーリーグの選手の給与を負担する大リーグ側が、応分の責任を果たした結果であるといえる。

 また、2月には、2021年からの最低保証給与について、連邦法による最低賃金に準拠するとして、ルーキーからAAAまでの5階級で約39%から約72%引き上げる計画を公表し、提携見直しが選手の待遇悪化につながるものではないことを示している。

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