28歳勝武士は病院たらい回し…新型コロナ“突然悪化”の恐怖
闘病生活は40日間におよび、再び土俵に上がる願いはかなわなかった。
日本相撲協会は13日、三段目力士の勝武士(28=高田川部屋)が同午前0時半、新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で死去したと発表した。国内で20代の死者は初、日本のプロスポーツ選手としても初の死亡となった。
勝武士は先月4日から38度以上の発熱があり、高田川親方らが6~7日にかけ、保健所や近隣の複数の病院に診察を頼んだが、受け入れを断られたという。同8日、血たんが出たため、救急車で搬送されたが、受け入れ先が見つからず、たらい回しされ、夜になって都内の大学病院に入院した。翌9日、症状が悪化したため、別の大学病院に転院し、同10日、PCR検査で陽性が確認された。入院から11日後の同19日、さらに症状悪化がみられたため、集中治療室で治療が続けられていた。
勝武士は6年前から糖尿病を患っており、2016年には取組直前に全身が紅潮し、手の震えが止まらなくなる低血糖を起こし、不戦敗となったことがあった。約20人いる弟子の半数が、基礎疾患を抱えている部屋もあるという。