著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神MBS砲の陰に隠れた「和製大砲候補」大山悠輔への期待

公開日: 更新日:

 これは昨年の「与えられた4番」のことを思うと非常に大きい。マルテが復帰して以降もその座を守るためにはこれからも打ちまくるしかない。

■岡田でもいい、新庄でもいい…

 ふと、1992年の新庄剛志を思いだした。当時まだ無名の若虎だった新庄が助っ人オマリーの故障離脱によって急遽スタメンの機会を得ると、はつらつとしたプレーで結果を残し、オマリー復帰以降もスタメンの座を守っただけでなく瞬く間にチームの中心になっていったのは有名な話だ。

 また、1980年の岡田彰布もそうだ。当時の岡田は大山と同じドラフト1位、いや、前評判と期待度ではそれ以上の大物ルーキーだったが、時のブレイザー監督の方針によって、すぐにはスタメンの機会を与えられなかった。しかし、そんな岡田も助っ人・ヒルトンの不振や世論の逆風などによって遅れてきたスタメンのチャンスを得ると、そこで期待通りの活躍を見せ、その後はスター街道を歩んでいった。

 願わくは大山もそうであってほしい。今年は昨年とちがってマスコミの注目はMBS砲に集まっているから、大山が打っても打たなくとも、その周辺は比較的静かだ。実際の成績以上に騒がれる若虎にはもう飽き飽きだが、それほど騒がれていない中で静かに結果を出す若虎は魅力的だ。

 岡田でもいい、新庄でもいい。大山にはスターになってもらいたい。

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