トランプが大リーグの始球式を行う意味と過去のトラウマ
トランプ大統領が新型コロナウイルス感染症対策に関する記者会見の最中に、「8月15日にヤンキースタジアムで始球式を行う計画がある」と発言したのは7月23日のことだった。
2017年1月の大統領就任以来、トランプは大リーグの公式戦で始球式を行っていない。
ウィリアム・タフトが1910年に現職として初めて公式戦で実施してから、歴代の大統領は開幕戦やワールドシリーズなどを中心に始球式を行っている。中でも公式戦開幕日に大統領が行う始球式は「大統領始球式試合」(プレジデンシャル・オープナー)と呼ばれて注目を集め、球界にとっても大統領自身にとっても重要な行事だ。
それでも、過去3シーズンにわたってトランプが公式戦での始球式を行わなかったのはなぜか。
例えば、2004年9月10日に独立リーグのアトランティック・リーグに所属するサマセット・ペイトリオッツの試合で始球式を行い、ホームプレートの手前でグラウンドに落ちたものの勢いのある速球を投げているから、始球式に嫌悪感を抱いているわけではない。