トランプが大リーグの始球式を行う意味と過去のトラウマ
2018年1月8日にアトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムで行われた全米大学アメリカンフットボール選手権決勝戦の国歌斉唱に登場すると、場内の観客から罵声や怒号を浴びせかけられたことが「悪夢」となっているのだ。
しかし、現在、大リーグの公式戦は無観客で行われている。これなら、たとえフィールド上に登場しても客席から口笛や笑い声が起きることはない。
民主党候補のジョー・バイデンに支持率で劣る状況の中で、2004年のようにヘリコプターでフィールドにさっそうと降り立ち、伸びのある速球を投げる意味は大きい。体力の低下や老化が指摘されている健康状態に問題がないことを誇示し、改めて「力強い指導者・トランプ」の像を支持者に訴えられるのだ。
かねて不仲が噂される米国立アレルギー感染症研究所所長のアンソニー・ファウチが7月23日にナショナルズパークでのナショナルズ対ヤンキース戦で始球式を行っている。「私の友人ランディから招待された」とヤンキース社長のランディ・レビンから直接要請されたと強調した点に、ファウチに対するトランプの対抗心が透けて見える。