大谷が守備練習解禁 来季は「投手」と「一塁」の新二刀流
右肘周辺の筋肉を痛めて再び、打者に専念しているエンゼルス・大谷翔平(26)が、早くも来季に向けて動きだした。
24日(日本時間25日)のアストロズ戦の試合前に守備練習を行ったのだ。チームメートがフリー打撃をしている際、右翼や一塁の守備に就き、コーチのノックを受けた。一塁の守備では、ベース前に立つ水原通訳へのトスを約10分間にわたって繰り返した。
一昨年10月に受けた右肘靱帯を修復するトミー・ジョン手術から復帰した大谷は、今月2日のアストロズ戦で右肘を痛めて以降、投手としての調整は禁じられている。試合前の練習にも制約を課せられているだけに、今回の守備練習は首脳陣の方針によるものとみられる。
■「フィールディングも一級品」
今季から指揮を執るジョー・マドン監督は昨年10月に就任して以来、大谷の身体能力の高さを評価してきた。メジャー移籍後、投手とDHでの出場に限られてきたが、「彼の能力を生かすには守らせない手はない」「フィールディングも一級品」と持ち上げている。
これまで2月のキャンプ中に外野の守備位置に就いてノックを受けたことはあるが、一塁の練習を行うのは初めて。指揮官の方針もあって、大谷には今後、投打だけでなく野手としての役割が加わる可能性があるのだ。
「大谷はマドン監督の好みのタイプだけに、野手も加えた三刀流として起用される可能性はあります」と、スポーツライターの友成那智氏がこう続ける。
「マドン監督は過去に指揮を執ったレイズ、カブスでは機動力があって複数ポジションをこなす万能タイプがお気に入りで、実際に重用してきた。マドン監督のお眼鏡にかなう大谷は日本ハム時代に就いた右翼の他、一塁を守らせる構想を持っているはずです。大谷が複数ポジションを守れば、守備に不安があるプホルス一塁手(40)、衰えの目立つアップトン外野手(33)の両ベテランをDHに回せるため、チーム内のオプションが増える。来季を見据えて今後も大谷に守備を練習させ、早ければ今季終盤にも一塁手として試すかもしれません」
■リリーフ起用も
ビリー・エプラーGM、マドン監督とも「彼は依然として二刀流だ」と、来季の投手復帰に含みを持たせている。大谷が完全復活を果たせば、ローテとして計算できると踏んでいるからだろう。
「今オフの先発投手の補強にもよりますが、大谷を守備に就かせるなら、先発ではなくリリーフでの起用も考えていると思う。守備に就いている大谷を試合終盤にマウンドへ送るのも可能になりますから。投手、打者、野手とフル回転の働きを強いられますが、来季は打者として7割、投手として3割程度の稼働率になるでしょう」(友成氏)
2018年に渡米して以来、一度もシーズンを通じて二刀流としてのパフォーマンスを発揮していない大谷。来季はユーティリティーとしてフル稼働か。