<3>自粛期間の3カ月で失われた礼儀、返事、集団行動の教育
せっかくコーチになりながら、6月1日の活動再開まではグラウンドを訪れることすらできなかった。
練習再開以降も十分な指導ができたという実感はない。自粛期間中のブランクを考慮して基礎練習中心。細かい技術などを教えるところまでは至らず、大会に臨む部員には「トーナメントは1度負けたら終わり。暴投が決勝点になることもある。勝つためには、普段から一球一球を大事にすることを念頭において練習しよう」と、アドバイスを送った。
飯田氏は現在も週に何度か母校のグラウンドに通い、後輩たちを指導している。しかし、ここでもコロナ禍の弊害があるという。
飯田氏は「まずは挨拶や礼儀、返事の仕方、集団行動、時間厳守といった、基本中の基本から教えています。技術を教えるのはその後です」と苦笑する。
昔に比べて今の子は……という事情もあるにせよ、何より3カ月の活動停止期間があったことが大きいという。
■三軍コーチの経験を生かす