ジョコ全米OP失格の代償「危険行為」でイメージ悪化に拍車
米経済誌フォーブスによれば、ジョコビッチの昨年1年間の総収入は4460万ドル(約47億4000万円)。男子テニスではロジャー・フェデラー(39=スイス)の1億630万ドル(約113億円)に次いで2位にランクされている。スポンサー収入だけで約34億円を稼ぐ高給取りだ。この程度の損失は痛くもかゆくもないだろうが、今回の一件でアスリートとしてのイメージダウンに拍車がかかるのは必至だ。
何しろ、ジョコビッチは自粛期間中の今年6月、母国セルビアなどで自らが主催したチャリティー大会、イベントで新型コロナウイルスに感染。大会は有観客で行い、大半の客がマスクをせず、社会的距離も取らなかったことから、参加したテニス選手、大会後のパーティーに出席した他競技アスリートも含めて多数の感染者を出した。
■ファン、スポンサー離れも
当時セルビアらのバルカン諸国は緊急事態宣言が解除されていたとはいえ、世界的な感染拡大が続いている最中のイベント開催には、欧米のメディアが疑問視したのはもちろん、ジョコビッチのSNSには世界中のファンからの批判的なコメントが少なくなかった。地元テレビ局の取材に父親のスルジャン氏が「息子は悪くない。感染したのはあの男が(ウイルスを)持ち込んだからだ」と、大会に参加したブルガリア人テニスプレーヤーのグリゴール・ディミトロフ(29)に責任を押し付けたことが火に油を注いだ。
軽はずみな行動を繰り返す王者はファンの信頼を失い、スポンサー離れをも招く。来年にも、ジョコビッチの収入は激減しかねない。
女子シングルスで2年ぶりの準々決勝進出を決めた大坂なおみ(22)は、男子王者を反面教師にした方がよさそうだ。