広島・大盛は“練習の虫”学生時代は黙々とバットを振る日々
大盛穂(広島・外野手・2年目・24歳)
「野球部は恋愛禁止。さらに体育コースなので3年間クラスに女子はいませんでした。僕なんかは入学当初『え?』と衝撃を受けたほど。だけど、大盛はひたすら練習に没頭していました」
そう語るのは高校3年間で同じクラス、高校、大学の野球部で共に汗を流した木根凌太さんだ。
大盛は大阪府大阪市で生まれ、小学1年から野球を始めた。中学では守口シニアに所属し、同チームの監督の紹介で静岡県の飛龍高へ進学。仲間から見ても練習熱心なこの男を、当時、同校で監督を務めていた濱野洋氏は鮮明に覚えている。
■本塁打でもガッツポーズなどせず淡々と
「ホームランを打ってもガッツポーズなどせず、淡々としていた。寡黙で昭和気質な選手でした。ただ、内に秘めたものは非常に強い。練習の虫で、バットを振る回数がハンパじゃなかった。昼休みだけではなく、授業の合間の10分休みでも取り組んでいたんです。あるとき『1週間で5000回』と部員にノルマを課したら、大盛はそれを“1日”でやってのけた。『聞き間違えてしまった』と言っていたけど、『1日5000回』っておかしいじゃないですか。それなのに大盛は言われたことだからと、当たり前のように受け入れる。ノルマがなくても毎日1000本以上は素振りをしていました」