日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧
近年、中国のナマコ需要が拡大し、一昨年は1キロが5000円近くの値段で取引されていたが、今年はコロナウイルスのあおりを受けて1キロ2000円ほどになっているそうだ。
清光さんは季節に応じて、ミズダコや昆布、スケトウダラもとる。当然、生活のリズムは時季によってさまざまだ。3月から10月末までのタコ箱漁では夜中から昼ごろまで4・9トンの漁船で過ごす。刺し網漁で行う真冬のスケトウダラのシーズンは、海の状態によって操業時間が変化する。漁に出るのは平均して月に10回ほど。海が荒れた日はタコ箱の組み立てや、仕掛け作りのほか、妻・正美さんの実家が営む農業関係の仕事の手伝いに充てるという。
正美さんは言う。
「私の祖父も一時期は漁師だったので、結婚前は母から『漁師の嫁は大変だよ』って何度も言われました」
当時、小学校で臨時教員をしていた一人娘を案じての忠告だった。籍を入れると正美さんは、海岸から300メートルほどのところにある清光さんの実家で、義父母と夫の弟と妹の6人で住むことになる。