日本ハム1位・伊藤大海 北海道の漁師町で育った泣き虫小僧
「ですが、実際はそれほど大変な思いをしませんでしたよ。主人の漁は女の手をあまり必要としなかったんです。お義母さんは私が作る料理を何でも『おいしい、おいしい』って食べてくれるような優しい方でした。それに、私は子供たちの時間に合わせて生活していましたから(笑い)」(正美さん)
伊藤は3人きょうだいの長男で、1歳上の姉がいる。だからなのか、幼少期の頃は泣き虫で甘えん坊な少年だった。
「歯医者さんでは病院中に響き渡る大声で『なっちゃーん! なっちゃーん!』って、待合室にいるお姉ちゃんを呼んで、泣き叫んだりも(笑い)。野球では悔し涙することも多かったです。少年野球チームでは大会のたびに監督から渡される『○○賞』ってありますよね。大海はそれを全くもらえなかったんです。帰りの車の中で『なんでヒロだけ……』と、泣いてしまうことが何度もあって。そのたび私は『(皆に)負けてないよ、ママはヒロが一番だと思ってるよ』って励ましました」(正美さん)
精神面を支えたのは正美さん。清光さんも伊藤のサポートに骨身を惜しまなかった。