全日本出場の羽生結弦 世界初の大技「4回転半」は温存か
羽生にとって今季初戦で新技を披露するのはリスクが極めて高い上に、年明けにはライバルのネイサン・チェンとの再戦が予定されている世界選手権を控える。同大会は、22年北京冬季五輪の国別の出場枠(最大3)を得る重要な位置付けだけに、今大会は温存する可能性が高い。
そもそも、これまで羽生が大技実施をほのめかしてきたのは、宿敵であるチェンに揺さぶりをかける狙いからだ。
今年10月のGPシリーズ米国杯で4連覇を達成したチェンは、ここに来て米メディアのインタビューで、北京五輪を最後に第一線から退くと明かした。在籍するエール大学卒業後は大学院で医学を専攻する目標があるそうで、集大成となる北京五輪では羽生を抑えて金メダル取りを狙うのは当然だ。
羽生が昨年のGPファイナル公式練習で試したように、4回転半ジャンプを小出しにすれば、チェンにプレッシャーを与えることになる。
ライバルの焦りを誘えば精神的優位に立ち、北京のリンクで余裕を持った滑りを披露するのも可能だ。
来季は羽生のリンク外での“演技力”にも注目だ。