ドラフト下位指名の“大化け”筆頭候補は巨人6位左腕・山本
プロ野球は今、新人合同自主トレの真っただ中。阪神1位の佐藤(近大)ら、黄金ルーキーが注目を集める中、下位指名に逸材はいるのか。
かつてはドラフト外を含めて下位指名の大物がゴロゴロいた。あのイチローは1991年ドラフト4位。昨季は、オリックス山本(16年4位=都城高)、西武平良(17年4位=八重山商工)、DeNA佐野(16年9位=明大)らがタイトルを獲得する活躍を見せた。
ソフトバンク千賀のように育成出身の逸材もまれにいるが、チームを強化するためには、下位指名選手の成否が大きく左右する。
では、今季の下位指名新人から、大化けしそうな選手は誰か。アマ球界に詳しいスポーツライターの安倍昌彦氏は「広島4位の小林樹斗(智弁和歌山高)は昨夏の甲子園交流試合で好投。実力的に上位指名されてもおかしくない能力を持っている。ナンバーワンの隠し玉的な選手を挙げるとすれば、巨人6位の左腕・山本一輝(中京大=181センチ、87キロ)です」と、こう続ける。
「速球の平均球速は140キロ前後。目立った“数字”がない分、上位での指名とはならなかった面もあるが、リリースポイントが打者から見えづらく、球持ちが非常に良い。中京大は投手の能力を数値化し、育成や試合で活用することに熱心な学校。聞くところによると、山本のリリースポイントはプレート位置から2メートルほど前とかなり打者寄りで、速球の回転数も2400~2500ほど。打者からすれば、プレートの5メートルほど前で投球し、体感速度は140キロ後半くらいに感じるのではないか。チェンジアップなど変化球もいいものを持っている。近年では杉内俊哉(巨人、ソフトバンク)に近いタイプ。彼は巨人の一軍投手コーチですから、山本はいい球団に入ったと言っていい。プロの食事とトレーニングで球速が4~5キロ増せば、今永(DeNA)クラスの投手になれる可能性を秘めています」
巨人には15年7位の左腕・中川という下位指名の成功例がいる。山本は先発、リリーフともに適性がありそうだが、先輩に続くことができるか。