著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

大谷は球団提示に近い金額で幕引きを図るべき意外な理由

公開日: 更新日:

 大谷が今いるのは2つ目の「年俸調停期間」だ。この期間に入ると、いい働きをしている者は500万~1000万ドルに年俸が跳ね上がる。大谷が3年目も2年目と同程度の働きをしていたら、600万ドルくらいの年俸になっていただろう。

■ボロボロに叩かれ自信喪失

 ところが昨季は打率が1割台で、チャンスにも弱かったため金額換算評価はわずか80万ドル(8400万円)だった。エンゼルスはこれを踏まえて現在、大谷側に今季年俸として250万ドル(2・6億円)を提示している。昨年の低レベルな働きと、コロナ禍で球団の収入が激減していることを考えれば低過ぎる金額ではない。

 大谷側の希望額は330万ドル(3・5億円)なので大きな開きはない。おそらく年俸調停委員会が開始される2月1日までに中間の290万ドルで決着がつくように思うが、球団側が歩み寄りの姿勢を見せない場合は、大谷側が球団側の提示額に近い金額で幕引きを図るべきだ。

 なぜなら年俸調停の審理は労働問題専門の弁護士3人が裁判官を務める形で行われるため、球団側は検事のように自らの主張を通そうと、選手をこき下ろす材料を列挙してくる。米国人の選手はこれに耐性があるが、アジア人の選手にはない。以前、ヤンキースで活躍した台湾出身の王建民投手は年俸調停の場で球団から「勝ち星が多いといっても、その多くは、彼の好投ではなく、味方の大量得点によるもの」などとボロボロに叩かれ自信を喪失、投手生命を縮める結果になった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  2. 7

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  3. 8

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

  4. 9

    巨人・坂本勇人は「最悪の状態」…他球団からも心配される深刻打撃不振の哀れ

  5. 10

    佐々木朗希よ…せめてあと1年、吉井監督の下で準備期間を過ごせなかったのか。メジャーはそんなに甘くない

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情