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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

五輪開催 錦織と大坂のテニス選手ゆえ実感こもる重い発言

公開日: 更新日:

 グランドスラムはオリンピックと同じ2週間の日程とはいえ、テニスの出場者が男女合わせて350人前後に対し、オリンピックは33競技で参加1万1000人を超す。規模が違うのだ。大坂なおみは東京オリンピックのために日本籍を選び、錦織のリオ大会のナダルとの死闘を思い返せば、彼らは決して五輪を軽視しているわけではない。錦織は全豪前に15日間もホテルの一室に缶詰めになった。いかに大変かという現実を身をもって体験した感想なのだ。

 マラソン会場が札幌に移される前、酷暑下の東京でのレースについて瀬古利彦マラソンリーダーに尋ねたことがあった。

「決まったことだから、我々はやるしかない」

 物足りなかったが、実際の話、与えられた、いかなる条件にも挑戦するのがアスリートであり、だからこそ主催者、運営者の責任は問われる。

 テニスは5月30日開幕の全仏に向けクレーシーズンのさなか。「ホームシックになる」と欧州遠征に弱気だった大坂なおみは、マドリードに続きローマも早々に敗退した。

 ただ、問題意識を持つと手が付けられないほど強くなることは、人種差別反対を掲げて制した全米で実証済み。開催議論の高まりとともに眠っていた闘志が点火するのでは……そんな予感を抱かせる発言でもあった。

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