大谷“仕切り直し登板”で今季初黒星 移動でも二刀流の弊害
エンゼルス・大谷翔平(26)が日本時間29日、仕切り直しのアスレチックス戦に2勝目をかけて登板した。本来、先発予定だった前日は、敵地オークランドへ向かうチームバスが事故渋滞に巻き込まれ、カート・スズキ捕手とともに電車で移動。マドン監督によれば、予定よりも1時間半近く遅れて球場に到着したことで、満足な調整ができず、登板を回避した。急きょ「2番・DH」で出場したが、3打数無安打に終わった。
今回のような事故渋滞は不可抗力とはいえ、移動でも二刀流の弊害が露呈した格好だ。メジャーでは通常、移動先で先発する投手は、チーム本体とは離れて先乗りでの調整を認められる。万全な状態でマウンドに上がらせるための監督の配慮だ。パドレス・ダルビッシュ、ツインズ・前田ら多くの日本人投手も恩恵にあずかってきたものの、二刀流の大谷は先乗りが不可能。今季は野手に故障者が相次いでいることもあり、大谷は外野でも起用されるなど、野手としてフル回転しているからだ。
大谷は今後も遠征先での交通トラブルに見舞われる可能性がある。メジャーでは選手会との取り決めで、各球団とも遠征地での宿泊先を「3つ星以上のホテル」と定めている。球場周辺に条件に合うホテルがない都市では、車で2時間近い移動を強いられることもあるため、想定外の事態に遭遇しかねない。