広島・栗林の恩師2人が語る素顔「気配りできる野球小僧」
栗林良吏(広島・24歳・1年目)
広島のドラ1ルーキー・栗林良吏(24)は23試合目にして初失点を喫したものの、防御率はいまだ0.36。0勝1敗、13セーブと新人ながら守護神を任されている。侍ジャパンにも選出された若き投手の素顔に迫る。
◇ ◇ ◇
アマチュア時代の恩師たちは口を揃えて「リーダーシップに優れている」「気遣いができる」と言う。しかし、父の秀樹さんは「フツーですよ。フツーの子」と、こう続ける。
「少なくとも子供の頃は将来プロ野球選手になるなんて思ってもいなかった。ずばぬけて足が速いとか、そういうこともない。中学、高校と同じチームに『エースで4番』がいましたからね。トヨタ自動車に入社したくらいから、この先も野球でやっていくのかな、と思ったくらいです」
栗林は愛知県愛西市出身。小学校1年から地元の勝幡ドラゴンズで野球を始め、中学時代は軟式の藤華クラブに所属した。本人は硬式チームの入団を希望していたものの、秀樹さんが反対。一体なぜなのか。
「硬式チームは親が大変じゃないですか(笑い)。その点、軟式の藤華クラブは有野監督がひとりでやっているチーム。あと、良吏は体が大きくない(178センチ、83キロ)。小学校の頃は前から2、3番目で、中学時代は真ん中くらい。そうしたこともあって、硬式より軟式の方がいいのではないかと思ったんです。まあ、僕は仕事一筋人間。勝幡ドラゴンズの矢田監督、藤華クラブの有野監督は良吏の第二の父のような存在だと本人も思っているでしょう。帰省した時などは、真っ先に2人に挨拶に行きますから」