IOCが要求 東京五輪「酒宅配」で選手村クラスター発生懸念
五輪選手村での食料品宅配サービス「ウーバーイーツ」の使用を認めるよう、IOCが大会組織委員会に要請していることが分かり、ネットが大炎上している。
21日の日刊スポーツ電子版によると、選手村内には約3000席の食堂があるものの、感染リスクを恐れて食堂利用を敬遠する選手のため、宅配の利用を認めるべきとIOCは主張。自室でも食堂と同等の温かい料理を提供できるようにすべきと要求した。組織委は配達物の中身をチェックできず、酒の注文もできてしまうため、難色を示しているという。
国民が飲食店での飲み会を制限されているのに、「選手村では飲み会し放題」と批判が集中していただけに、ネットでは〈IOCの厚かましさ、モラルのなさが露呈〉〈食堂提供の食事を部屋に持ち帰る方がウーバーより温かいだろう〉と、もっともな意見が続出。
アルコール持ち込みの“抜け穴”は多い
選手は入村時に持ち込めるアルコール量に上限があるが、“抜け穴”的なウーバー利用で、いくらでも酒を持ち込めることになる。実は、“抜け穴”は他にもあるようだ。
「過去には、出国前に自国の酒を大量に宅配便で選手村に送った関係者がいました。また、選手は日本国内の競技団体関係者に『ちょっとコンビニ行ってきて』と買い物を頼むことも可能です」(大会関係者)
“飲み放題”以上に心配なのが、宅配や“買い出し”によって選手と国内の配達員や競技関係者が接触し、選手村でクラスターが発生する恐れがあることだ。ブラジルで13日に開幕したサッカー南米選手権では、参加国の選手やスタッフの陽性が次々と発覚。18日までに82人に上った。チリ代表の選手が現地ホテルに美容師を招いていたことも分かった。
オーストラリアでは、「すれ違った程度で感染する」とみられる変異株が確認された。軽々しく選手村への宅配を許可して大丈夫なのか。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「間接的でも選手村内外の人の接点ができるわけですから、感染拡大リスクが上がるのは当然です。組織委は許可すべきではありません。どうしても配達サービスを使いたいなら、IOCは自らの資金で配達員を確保すべき。もちろん配達員には毎日PCR検査を行うなど、徹底した行動管理を実施し、感染拡大防止策を講じる必要があります」
選手村クラスターが発生してからでは遅い。