著者のコラム一覧
立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」はじめ、「コロナの時代を生きるためのファクトチェック」「トランプ王国の素顔」「ファクトチェックとは何か」(共著)「NHK 日本的メディアの内幕」など著書多数。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

オリンピアンである沢松さんが厳しい表情で語った言葉は重い

公開日: 更新日:

 この提言には、そもそも開催中止を求めるべきではないかとの批判も出ている。それについて尾身氏は、そういう議論はあったと認めた上で、現実的な対応を求めることを優先したと話した。専門家の責任の示し方として私は理解できる。

 問題は、政府が「矛盾するメッセージ」を出し続けている事実だ。6月17日の総理会見で、仏メディアRADIO FRANCEの記者は、「例えば無償でマスクを確保するのは難しい。ホテルも隔離施設ではなく、そのノウハウとか徹底した対策をとるのは無理があります。参加者の行動をGPSで管理すると言われても、あくまでスマホの位置情報であり、人間の行動と異なります。結局、感染対策が不十分だと言う専門家が多い」と指摘した上で、「なぜ、感染拡大のリスクや死者が出るリスクがあっても総理大臣は開催するのは大丈夫と」思うのかと問うた。菅総理はこれまでの説明を繰り返すにとどまった。それが納得できないからの質問だということをこの国のリーダーは理解していない。

 残念なことに、この会見で最も「矛盾するメッセージ」を発したのは質問に立ったメディアだった。時事通信の記者は「内閣改造、自民党役員人事」について質問。NHKは、解散総選挙の時期を問うた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に