<5>世界バレーの会場に向かう前、ユニバーシアードの学生たちにシューズを提供した
ブルガリア語しか話せないドライバーと2人で朝6時にソフィアを出発。約470キロの道のりを走り続け、黒海に面した美しい街バルナに着いたのは18時ごろ。全日本の宿舎前に荷物を降ろし、ドライバーをソフィアへ帰した。そして小島孝治監督の部屋を訪ねた。
「植月君か、本当に来たんか。よく来たな。ひとりか?」
小島監督の声を聞くやいなや、ここまでの疲れと安堵感で膝から崩れ落ちてしまった。その日はホテルの予約をとっておらず、全日本の宿舎に空き部屋はなかった。小島監督にお願いし、荷物を部屋に運び込み、私は空いているスペースで横になり、泥のように眠った。 (つづく)