【陸上】やり投げ北口榛花の原点 単身でチェコへ渡航、パティシエの父が語る思い
そのうちの1人、長谷川桃子さんがこう続ける。
「彼女は物おじをしない性格です。行動力があって、北海道内の合同合宿などではどんどん友達をつくっていく。人見知りがちな私は、いつも凄いなと思いながら見ていました。だから、榛花が自分からチェコ人のコーチに師事し、海を渡った時も彼女らしいなと驚きませんでした」
高校を卒業して日大へ進学したものの、担当コーチだった村上幸史氏が1年時に退任。専門家の不在では限界があった。転機が訪れたのは2018年11月にフィンランドで行われたやり投げの国際講習会だ。参加した北口は、チェコでジュニア世代を指導するデビッド・セケラック氏に声を掛けられた。
「榛花は15年の世界ユース選手権で優勝していたので、『君のことを知っているよ』と言われたそうです。そこで、指導者がいないことを話すと、その3カ月後に大学の春休みを利用して単身でチェコに飛びました」(幸平さん)
2020年、卒業と東京五輪を目前にした2月に再び海を渡ったが、コロナ禍により1カ月ほどで帰国した。以降、セケラック氏とはオンラインで師弟関係を続けている。