著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

“さすらいのフットボーラー”松井大輔が明かす フットサル転身への決断とコロナ禍の孤独

公開日: 更新日:

 15歳で仏の名門パリSGに単身でサッカー留学し、2004年に同国ルマンへ移籍してから海外生活は足掛け12年に及ぶ。「逆に日本で住みにくさも感じた」とアッケらかんと言ってのける彼も、ベトナムでの未曽有の経験には戸惑ったに違いない。「ここで終わるのかな」と絶望的な気分になるのも頷ける。

 ただ、松井大輔はそこで逃げる男ではない。

「いろんな国に行って、人や物事に触れることは絶対に人生のプラスになる。自分に合ったものを探していけばいい。自分が輝ける場所があるならば、どんな環境でもピッチに立ちたい」と語気を強めた生粋の挑戦者が、何の満足感も得られないまま、フェードアウトのような形でサッカー界から足を洗うことなど、やはり考えられなかった。

「ベトナムリーグ再開が2022年2月くらいになるということで帰国を決めました」と語ったように本人は、最後までベトナムに残るべきか、否かを迷い続けていた。

 クラブ内権力闘争の余波で「戦力外通告を受けた」と事実ではないことを報じられたり、日本人同僚の高崎寛之(元浦和)が一足先に帰国を決めるなど、現地では一筋縄ではいかない事態が続いたが、基本的にはベトナム挑戦続行の覚悟を持っていたはずだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…