“さすらいのフットボーラー”松井大輔が明かす フットサル転身への決断とコロナ禍の孤独
そこで届いたのが、YSCC横浜からのオファー。しかもJ3ではなくフットサルだった。
「僕が聞いたのは7月の終わりから8月頭。自分らしさを一番に考えた時、子供に戻ったようなワクワク感を表現できるのはフットサルだと思った。カズ(三浦知良=横浜FC)も『面白いんじゃない』と言ってくれたので、決めました」
もちろんJリーグに戻る道もないわけではなかった。
今季の移籍期限は8月15日。同い年の盟友・駒野友一がJ3のFC今治に、茂庭照幸がJFL・岡崎へ赴いたように、松井も同じサッカー人としてのキャリアを歩めたはずだ。
しかし「人と同じことをやってもしょうがない」という男は<オンリーワンの矜持>を貫いた。
「39歳でベトナムに行った僕は、38歳でシドニーFCに行ったカズさんを越えられたな、と。そこだけは上回りました」と今年1月に話していたが、誰もやり遂げていないことに突き進むから面白い。 それこそが、松井大輔の真骨頂なのである。