“元ファーム首位打者”山下航汰の前途多難 巨人の育成契約蹴りトライアウト参加も低評価なワケ
8日の12球団合同トライアウトで最も話題を呼んだのは山下航汰(21)ではないか。純白のベンチコートをまとい、ネット裏から視察した日本ハムの新庄剛志監督(49)も、気になる選手のひとりとして山下の名前を挙げ、「ファームで首位打者を取ってるんですよね。面白い選手」とコメントを寄せた。
健大高崎高(群馬)から2018年育成ドラフト1位で巨人に入団し、翌年は高卒新人ではイチロー以来となるファームの首位打者を獲得した。一時は支配下登録されたものの、昨年、右手有鉤骨を骨折。プロ3年目の今季は再び育成選手として過ごし、球団から来季の育成契約を打診されるも、これを拒んだ。他球団に活躍の場を求めるためだ。
しかし、巨人退団が明らかになった11月中旬からトライアウト当日まで、山下の獲得調査に動いた球団があるとは聞かない。高卒新人ながらファームの首位打者を取った“逸材”なのになぜか。「現在の山下レベルの選手は各球団にゴロゴロいるからですよ」と、さるプロスカウトがこう続ける。
「(右手を)骨折してから打撃は下降線をたどっているし、外野しか守れないのも課題です。足はそこそこですが、肩が弱い上に打球への反応が鈍く、守備範囲も狭い。DH? それはもっと本塁打を打つ選手のためにありますから」