小林陵侑がジャンプ24年ぶり五輪金! 専門家も絶賛「風に乗る」技術と鋼のメンタル
今季ワールドカップ(W杯)は17戦して7勝(通算26勝)。ジャンプ週間は4戦3勝。W杯個人総合優勝を遂げた18-19年以来となる2度目の栄冠を手にした。
前回の平昌大会はノーマルヒル7位、ラージヒル10位。メダル争いとは無縁だったが、今やジャンプが盛んな欧州勢が最も恐れる選手に成長。今大会は金メダル候補の筆頭にあげられていた。
■柔軟な体、足首の角度
小林の「進化」を見てきたスキージャンプ取材30年の岩瀬孝文氏(国際スキージャーナリスト)が言う。
「1本目はスタートの時に笑顔だった。力みがまったくなく、バック風(追い風)でもいいジャンプができた。公式練習や予選での経験から後ろや横からの風にどう対応するか、シミュレーションができていたのだろう。2本目も冷静でした。何度も競り勝っているW杯の経験から、トップに立ったとき、どのくらいのジャンプで勝てるか熟知している。不運な突風でも吹かない限り勝てると思いました。小林選手の強さは柔軟な体と独特な風の捉え方にある。例えば右斜めから風がきても足首の角度を微妙に変えたり、体をちょっとずらして風に乗ることができる。だから着地しそうになってもさらに飛距離が伸ばせるのです」