PGAツアー「飛距離制限」に先手か コース設定に変化、背景にUSGAやR&Aへの対策
これはPGAツアーのコース設定が、今季から変わったと言えるのかもしれない。
例年、秋から春先にかけて、ツアーの平均飛距離は大きく伸びる。これはコースセッティングがやさしく、下部ツアーから上がってきた若手の飛ばし屋が多くプレーするからだ。
しかし2月以降になると、ラフはより深く、グリーンも転がりが速くなるため、平均飛距離は落ちてくる。
本来なら春先まで平均飛距離は300ヤードを軽く超えても不思議ではないのだが、今年は「ザ・アメリカンエクスプレス」までのドライバー平均飛距離は296.4ヤードだった。
PGAツアーにはドライバー飛距離300ヤードを超すプロが90人近くいる。コースによっても変わるが、飛ばすだけでなく、いかにフェアウエーをとらえるのかを選手に考えさせるセッティングになりつつあるといえる。
ツアープロに飛ばし屋が増えて、総距離を伸ばすことができない名門ゴルフ場での試合開催が減っており、USGAやR&Aはボールやクラブの飛距離の制限を模索しているとみられる。その対応策としてPGAツアーがドライバー飛距離にアドバンテージを与えないコース設定に変わりつつあるのかもしれない。
(ゴルフライター・吉川英三郎)