工藤公康から「妻が『中尾さんのスジネギ焼きが食べたい』って」と電話が
■東京・国立駅近くの同じマンションを紹介
当時、私が住んでいたのは、東京・国立駅近くの閑静な住宅街にあるマンションで、1、2階のメゾネットタイプのものだった。ちょうど同じマンションの2階の1室が空いたと聞いた。工藤に伝えると、すぐに見に来て即決した。以降、お互いの家で食事を共にする機会が増えた。
92年11月、工藤から「中尾さん、妻が『スジネギ焼きを食べたい』と言っています。お願いできますか?」と電話がかかってきた。なんと、工藤の長女が生まれた翌日だった。
牛スジとネギが入った関西風お好み焼きを「スジネギ焼き」という。以前、家族同士で食事をした際に兵庫出身の私が作ったことがあった。これに関西ではポピュラーな激辛の「どろソース」をかけたものを工藤の雅子夫人が「おいしい!」と気に入ってくれた。確かに「子供が生まれたらまた食べたい」と言っていたが、まさか出産翌日に本当にリクエストがあるとは……。私は自宅の鉄板で牛スジとネギをたっぷり入れて焼き、どろソースをかけて病院に届けたら喜んでくれた。その時に生まれたのが、現在プロゴルファーとして活躍する遥加さんだった。