担当したライバルが蹴落とされないかヒヤヒヤ…そして気になる自分の評価

公開日: 更新日:

 担当した若手がせっかくレギュラーに定着、これから中軸を狙おうってのに、入ってきたばかりの新人にポジションを奪われたらたまらない。オレ自身の評価にもかかわってくるだけに思わず、「あのルーキー、自主トレから飛ばしてたし、相当、疲れがたまってるみたいです。ボチボチ、地が出るころですよ」って部長に言ったさ。

 ところが、その新人外野手、フリー打撃直後の練習試合に代打出場。相手チームのローテーション候補から、いきなりクリーンヒットを打ったんだ。

 その瞬間、部長はオレの方を見てニヤニヤしながら、「とても疲れがたまってるようには見えねーけどな」なんて言うから、まったく、穴があったら入りたい心境だったね。

 球場からの帰り際、オレは自分が担当したくだんの選手と話をした。選手の精神面のケアもオレたちの仕事だからね。気になることはなかったし、ポジションの重なるルーキーを必要以上に気にしているふうでもない。なので「ルーキーには負けるなよ!」ってゲキを飛ばしたんだ。

 部長によれば、「キャンプは自分たちの目を鍛え直すいい機会」だそうだ。アマチュア選手ばかり追い掛けてると、どうしたって選手を見る目が甘くなる。つまりヘタクソばかりみてたら、プロでやる実力がない選手でもうまく見えてしまうってことさ。そうならないようにレギュラークラスのプレーを目に焼き付けておく必要があるということだ。それが大切なのは百も承知だが、オレたちはどうしたって目先の評価、自分たちが部長やエライさんにどう見られているかが気になるものなんだ。

(プロ野球覆面スカウト)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 3

    立花孝志氏の行為「調査要求」オンライン署名3万6000件に…同氏の次なるターゲットは立憲民主党に

  4. 4

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    斎藤元彦知事に公選法違反「買収」疑惑急浮上しSNS大炎上!選挙広報のコンサル会社に「報酬」か

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議