米大リーグの懸念は「ウクライナ問題」より物価上昇 娯楽費や遊興費の見直しも…
ダウ平均株価が過去1カ月間3万4000ドル台以上を維持していたことなどは、市場が先行きを楽観しているとさえいえる。
米国の企業にとってむしろ問題なのは、卸売物価指数の上昇である。
2月15日に米国労働省が公表した2022年1月の卸売物価指数は、市場の予想の2倍の伸び率となっていたのである。
企業間で取引される商品の価格が卸売物価である。そして卸売物価の上昇はただちに消費者が購入するモノやサービスに影響しないとはいえ、数カ月以内には消費者物価に転嫁されることになる。
さらに、物価が上昇しても賃金が上がらなければ、消費者の可処分所得は減らざるを得ない。
このとき、家計を見直す際に最初に検討される項目のひとつが、娯楽費や遊興費である。大人2人、子ども2人が大リーグの試合を観戦する場合、2016年の時点で入場券と飲食代などを含む1回あたりの費用は平均して約219ドル、21年には約253ドルまで上昇している。
16年のNFL(約504ドル)やNBA(約339ドル)に比べて低額とはいえ、大リーグの試合数は他に比べて多く、シーズン券の購入者だけでなく、予定の合う日に1回券を買い求める利用者にとって、費用の負担は決して小さくない。