“菊池雄星2世”左腕・横山雄哉はドラフト後「鎖骨が浮いてる」と診断された
残念だったのは、14年ドラフト1位の新日鉄住金鹿島・横山雄哉である。
早大・有原航平を4球団競合、亜大・山崎康晃を2球団競合の末に抽選で外した後、横山を指名した。山形中央高時代から「菊池雄星2世」として注目され、私は高校時代から担当として、この大型左腕を追っていた。外れ外れ1位とはいえ、南信男球団社長、佐野仙好スカウト部長の評価も高く、球団期待の星として入団してきた。
ドラフト直後の11月、21Uワールド杯オーストラリア戦で5者連続を含む8奪三振。計3試合10イニングで20三振を奪う大活躍でチームを準優勝に導いた。日本代表の監督は阪神・平田勝男二軍監督で「横山はめちゃくちゃ良かったですよ」と絶賛していた。
それが、帰国後の健康診断で「鎖骨が浮いている状態」との結果が出た。私は胸騒ぎがした。もちろん、ドラフト前に調査はしたものの、左肩に不安があるという情報はなく、本人が違和感を感じている様子もなかった。平田二軍監督の「問題なさそうに投げていましたし、大丈夫でしょう」との報告に胸をなで下ろしていたら、横山は年明け早々の新人合同自主トレ中にこう申し出た。
「肩に違和感があるんです」
大阪市内の病院で「左胸鎖関節の炎症」と診断された。キャッチボール再開のメドさえ立たず、一軍の沖縄・宜野座キャンプ参加は絶望的となった。恐れていたことが起きてしまった。