労使合意で「選手間格差の拡大」は是正 MLBの若手がNFLやNBAより恵まれている“2つの理由”
米国のスポーツ事情に詳しい人の中には、最低年俸が70万ドルにアップしたと聞いても「評価できない」と述べる人もいる。前年比22.7%も上がったとはいえ、それでもライバル関係にあるNBAの最低年俸(今季92万5000ドル)やNFLの最低年俸(今季70万5000ドル)に及ばないことを問題にしているのだ。しかし、金額だけで単純に比較しても、どのスポーツの若手が最も恵まれているかということは見えてこない。MLBは選手の平均寿命が5.6年で他のスポーツよりずっと長い。ベンチ入りできる選手の数も26人で「広き門」である。
それに対しNBAは選手の平均寿命が4.5年でMLBに比べて24%短い。ベンチ入りできる選手はMLBの半分の13人という「狭き門」だ。NFLに至っては選手の平均寿命は3.3年しかない。消耗が激しいうえ、脳震盪の後遺症に苦しむ選手が多いためMLBより70%も短くなってしまうのだ。それでいながら最低年俸はMLBより0.7%多いだけだ。他のメジャースポーツに比べるとMLBの若い選手は格段に恵まれていると断じても過言ではないだろう。