<24>練習が終わると一目散…恩師が深めたロシア&ベラルーシとの「たばこ外交」
世界的にたばこは高級品。1箱1000円超が当たり前の欧州で現地調達するとお金がかかる。それならオサダにもらおう、となったのだろう。調べてみると、「マールボロ」の価格はベラルーシが100円台後半。ロシアも200円台とかなり安い。今はロシア通貨が暴落しているので分からないが、当時はロシアやベラルーシの人が自国の10倍もするたばこを欧州で買いたくないのは当然かもしれない。
■代金は未払い
長田監督はスケート靴の刃を研ぐ砥石もねだられていた。監督は「使った砥石でもいいから安く譲ってくれ」と言われていたのに、日本で買った新品を渡していた。代金は未払い。代わりに使い道に困るようなTシャツをもらっていた。日本人はお金持ちでお人よし--。そのイメージをきちんと助長させていた。
たばこがきっかけだったとはいえ、スポーツで深まったロシアやベラルーシとの交流。ドーピング違反や戦争はもちろんやってはいけない。ただ、政治を抜きにして、現地で親交を深めてきたアスリートやスタッフがいることも忘れないでほしい。