日本代表GK谷の背番号4を見ながらメキシコ五輪・岡野コーチの選手兼任の珍事を思い出した
メキシコ入りした岡野俊一郎コーチ(故人=JFA第9代会長)が、旧知の地元オリンピック協会の役員に会った際、「どうして日本は18人なんだ。あなたが選手登録すればいいじゃないか」と言われたそうだ。
■岡野コーチ兼選手の胸にも銅メダル
その報告を受けた長沼健監督(故人・JFA第8代会長)は、岡野氏をコーチ兼選手とした。
大会の出場チームは今も当時も同じ16だが、ブラジルとチェコスロバキア、タイの3カ国は18名で、日本を含む13カ国が19名を登録した。
岡野コーチは、もちろん1試合も出場することはなかった。が、3位決定戦でホスト国のメキシコを破り、出席することになった表彰式では、銅メダルメンバーの一員として、首にメダルをかけてもらったのだった。
当時のサッカーマガジンに掲載された長沼監督のノート(手記)「われらかく戦えり」に次のような記述がある。
「表彰式、八重樫以下十九名の選手(岡野コーチを含む)の胸に価値ある銅メダルが輝き、日の丸が堂々とポールに上がった。この日のためにーー(以下略)」