巨人・菅野は3勝目も「100球肩」を克服できたのか…OB投手・高橋善正氏が懸念すること
22日の中日戦で180人目となる通算1500投球回に到達した巨人の菅野智之(32)は、6勝7敗に終わった昨季、かつてないほど苦しんだ。
密着したテレビ番組で「100球を超えると握力がなくなって、どこにいくかわからなくなる」と語っていた。だから、このオフは100球を超えてもガス欠を起こさない体づくりに重点を置き、トレーニングを積んできたのだが、今季は試合前まで4試合に登板し、開幕戦から球数は106、113、77、104球。1試合平均はちょうど100球だった。104球を投げた前回15日の阪神戦では、102球目のスライダーがすっぽ抜けて打者・青柳の背中を通過。直後に原監督に交代を告げられた。
この日は自らの適時打も含め、6回までに7点の大量援護もあり、7回1失点で3勝目。球数は111球だった。「100球肩」は克服できたのか。そもそも「100球で握力がなくなる」とはどういうことか。巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言った。
「全盛期には年間200イニングを投げた投手。開幕から100球前後でマウンドを降りているのは、首脳陣がそれ以降は危ないとみているから。若い頃はそんなことはなかったでしょうから、まずは年齢からくる衰えが考えられます。長い回を投げると、投手の腕はうっ血するし、握力はなくなります。ただ、自覚症状がないことが多い。それが菅野の場合は自覚症状があるのだから、ちょっと心配ですね。100球の壁を克服できたかは、次回以降の登板を注視する必要があります」
菅野は「試合を作れて良かった。今日は気持ちよく投げられた」と汗を拭った。防御率を4.24から3.56としたものの、本来の姿に戻ったとは、まだ言えないようである。