プロ野球「早くも欠かせない」新助っ人2人の実力と評判(セ・リーグ編)
アダム・ウォーカー(巨人・外野手・30歳)
プロ野球開幕から1カ月が経過し、世の中はゴールデンウイークに突入した。コロナ禍の水際対策により、新外国人選手はキャンプには合流できなかったが、好スタートを切ったのは誰か──。早くも欠かせない存在となっているセの助っ人2人をピックアップした(成績は全て29日現在)。
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「はじめまして! 私の名前はウォーカーです」
二軍合流初日。滑らかな日本語でこう挨拶した。
ラーメン、寿司などの日本食にも積極的に挑戦。巨人や日本文化に馴染もうとするなど貪欲だ。
■凡フライ打っても全力疾走する元独立リーガー
元NFL選手の父から受け継いだ身長196センチ、体重104キロの体格と抜群の身体能力を誇り、走力も高い。昨季まで米独立リーグ2年連続MVP。そんなスラッガーの今季年俸は3300万円と格安だ。巨人のファーム関係者がこう言う。
「合流当初は高給取り(年俸2億5000万円)のポランコと共に行動していたけど、ウォーカーはメジャー経験がないだけに、ハングリー精神旺盛。シートノックも一生懸命受けていた。驚いたのは、凡打のゴロはもちろん、凡フライでも全力疾走すること。平凡な飛球を打ち上げて一塁まで全速力で走る助っ人をこれまで見たことありません」
打撃は打率.304、12打点、3本塁打と好調な一方で、左翼守備の送球難が表面化している。
「イップス」疑惑もあるが、このファーム関係者は「イップスになると普通は投げたがらない。ウォーカーは二軍にいる時から練習でバンバン投げていたから、ちゃんと送球できないだけ。もう練習するしかないんだけど、打つけど守れないというのは、外国人あるある。首脳陣はあまり細かいことを言って打撃に影響しないように気を配っているようです」と言う。
ライアン・マクブルーム(広島・内野手・30歳)
「自分の強みはアジャストメント(調整)能力」
主砲の鈴木誠也がカブスに移籍し、最大の懸案事項だった「4番」に座る。
■本塁打より出塁率「つなぎの4番」
日本球界では珍しい「左投げ右打ち」で打率.250、11打点、2本塁打。チーム関係者は「日本人投手の特徴を把握しきれていない時期だが、打席で左足を上げる幅を変えたり、ノーステップで打ってみたり、投手や状況に応じてタイミングの取り方を変えている。球を引きつけているから、ボール球になる変化球にバットが止まるし、センターから逆方向に打球が飛ぶ。佐々岡監督が本塁打より出塁率を期待する『つなぎの4番』です」と指摘する。
出塁率は.354だ。