照ノ富士3場所ぶり7度目Vも…サポーターぐるぐるの両ヒザ以上にヤバい“腰痛地獄”
だが、親方のひとりは「怖いのは腰ですよ」とこう続ける。
「照ノ富士は192センチと上背があり、腕力も角界で一、二を争うほど。苦しい時に見せる力任せの相撲は、足腰への負担が大きい。まして、両ヒザをかばえばかばうほど、腰に負担がかかる」
照ノ富士は今場所9日目の翔猿戦、12日目の若隆景戦をきめ出しで勝っている。相手の両腕をガッチリとロックして持ち上げ、土俵外に出すクレーンさながらの荒技だ。
いずれも小兵とはいえ、翔猿は134キロ、若隆景は131キロの重量。腰に大きな負担がかかる。
■精神的に参るのは本割より稽古
たまにぎっくり腰で休場する力士はいるものの、腰の負傷を理由に休む力士は多くないが、「それには理由があるのです。まず、腰が痛くない相撲取りなんてひとりもいない。それでも休まないのは痛みが軽ければだましだましできるからです。問題は痛みに我慢できなくなった時、つまり手術が必要なケース。力士ならヘルニアが多いが、腰の手術はリハビリに数場所かかる。だから現役中、腰にメスを入れる力士が少ないだけの話です。ちなみに腰の痛みは本場所の土俵ではあまり気にならない。勝負の時間が短いため我慢できるレベルです。ただ、稽古は地獄。腰に痛みを抱えたまま数時間、地道な稽古をするのは精神的に参る。でも、やらないと稽古不足で弱くなる。地獄ですよ」(前出の親方)。