シビアなメジャーでは名将もクビに 日本の監督人事が甘い元凶はCSにある
そのうえ、球団フロントも監督も、3位で良し、と結果責任を問われない。甘いと思う。こんなにラクなことはないから、CSの是非が議論にもならない。消化試合を減らすという興行的メリットは理解するけれど、それによって責任の所在が曖昧になっては、組織は澱み、進歩がなくなる。
■最優秀監督賞3度でもクビに
そこへいくと、メジャーはシビアだ。7日には大谷翔平のいるエンゼルスのジョー・マドン監督が解任された。今季は開幕ダッシュに成功し、8年ぶりのポストシーズン進出へ期待を持たせていたが、ここにきて急失速しているのはご承知の通り。まだシーズンは多く残されているものの、最優秀監督賞を3度受賞している名将でも、12連敗の責任を容赦なく負わされる。メジャーでは、さる3日にフィリーズのジョー・ジラルディ監督もクビになった。解任時点でチームはナ・リーグ東地区の3位。5月に10勝18敗と低迷したことが原因だろう。
厳しいが、プロの世界とはこういうものだ。いまだに情実や人気優先の監督人事、CSという敗者救済措置、それによってあやふやになるトップの責任──日本は恵まれている。