“投壊”原巨人最下位まで3.5ゲーム差だが…来季も「監督続投意向」の面の皮、周辺にチラつかせる
敗戦処理2イニングの翌日も連投で
広島で投手コーチや編成部長などを歴任した川端順氏がこう指摘する。
「巨人が苦しんでいるのは、投手陣が崩れたことに尽きます。開幕早々から、先発を早く代え過ぎてリリーフ陣を酷使してきた。象徴的だったのは、原監督が怒った17日の広島戦です。先発の高橋が四球を連発し、4-0から1点を返されると、四回途中で交代。代わって、前日に7点負けている試合で敗戦処理として2イニングを投げさせた鍬原に連投を命じました。案の定、満塁弾を浴びましたが、鍬原は責められません。私は現役時代、リリーフだけで規定投球回数に到達した年がありました。それでも『六~八回の接戦の時』と持ち場が決まっていて、監督、投手コーチに『接戦なら、勝っていても負けていても投げる可能性はあるぞ』と事前に言われていた。コミュニケーションが取れていたので苦になりませんでしたが、今の巨人は果たして取れているのでしょうか」
巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏もこう憤慨する。
「確かに鍬原は気の毒だった。あんなめちゃくちゃな継投をしていたら、打たれて当然。春先から我慢ができない原監督が場当たり的な継投を繰り返し、持ち場が定まらないリリーフ陣は疲弊し、打たれたら二軍落ち、を繰り返してきた。『私とコーチ陣の指導が悪い』とは言うが、監督は基本的に選手に技術指導する立場ではない。要するに、担当コーチを責めているのです。しかし、本来責任を取らないといけないのは、全権を握る原監督のはずです」
■菅野、岡本和らコロナ57人大量感染
それが、原監督の周辺にいる関係者は声を潜めてこう言うから驚きだ。
「今のところ、原監督に辞める気なんてさらさらなさそうです。周囲には契約の3年(今年1年目)を使ってチームを立て直すと言っているし、来年の話もしている。少なくとも周辺には、低迷の責任を取るようなそぶりは一切見せていない。昨年のように、コーチ陣が詰め腹を切る形になると思う。球団だって、昨年V逸しながら原監督に契約の延長を頼んでいる手前、首に鈴はつけられない。ただ、最下位になれば話は別ですが……」
V逸した昨オフ、原監督は今季からの3年契約を新たに結んだが、代わりにコーチ陣が人柱になった。チーム防御率3.63でリーグ4位に終わった責任を取り、宮本投手チーフコーチがユニホームを脱ぎ、吉村作戦コーチはフロントに異動。後藤野手チーフ、杉内投手コーチは三軍送りとなり、石井野手総合、相川バッテリーコーチは退団した。これだけのコーチ陣に責任を取らせた形となったが、チームをボロボロにした張本人は堂々と居座っているのだから、大した「面の皮」である。
かつて、巨人の球団幹部が原監督をこう評していたことがある。
■「彼の一番凄いところはメンタル」
「彼の一番凄いところは、やっぱりメンタルだよ。よく言えば恐ろしく切り替えが早い。これが長く監督を務められる秘訣かもしれないけど……」
この幹部によれば、自身の1億円事件や球界を揺るがした巨人の選手による野球賭博事件が起きた際も“関係ない”といわんばかりに動じる様子はなかったという。
ただし、「話は別」という最下位の中日まで3.5ゲーム差。明日22日から球宴前ラストカードとなる中日との“直接対決”3連戦を控える。今後、もし最下位に転落すれば、18年6月9日以来4年ぶりとなるだけに、事態が急変することもありそうだ。
巨人は試合後、菅野、中田、岡本和、元木ヘッドコーチ、阿部作戦兼ディフェンスチーフコーチら、選手、コーチ、スタッフの計38人が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたと発表した。20日午前に選手2人、19日に選手11人を含む計17人が陽性となっており、陽性判定を受けたのは合計57人となった。まさに泣きっ面に蜂である。