渋野日向子“ジェットコースターゴルフ”の真骨頂! 予選落ち続き一転、全英女子最後までV争い
【全英女子オープン】最終日
無念の1打差だった。
首位に5打差、通算9アンダー発進の渋野日向子(23)は、3年ぶり2度目の全英制覇が期待されたが、1イーグル、3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの71。通算10アンダーで並んだA・ブハイとチョン・インジに1打届かず3位に終わった。
強風が吹き荒れる海沿いのリンクスでは、5ストロークの差は安全なリードではない。
実際、14アンダーで首位スタートのブハイはスコアを4つ落とし混戦になった。
渋野は、この混戦から脱落したわけだが、優勝のチャンスはあった。2番バーディーで通算10アンダー。3番、4番の連続ボギーでズルズル後退するかと思った。ところが、5番パー5は2オンに成功。5メートルのイーグルパットを沈め、再び10アンダーに戻す。
9番終了時にはブハイと3打差。10番ボギーのインジとは1打差となり、優勝争いは、この3人に絞られた。
■14番・痛恨のダボ
致命的だったのは14番のミスだ。ドライバーショットが左のポットバンカーにつかまり、第3打でピン右10メートルに乗せて3パット。今大会初のダブルボギーで8アンダーに後退する。ブハイが15番のトリプルボギーで10アンダーまでスコアを落とし、渋野が17番バーディーで1打取り戻しただけに14番の「ダブルボギー」が悔やまれる。
それにしても、直近8試合で6度の予選落ち。不振が続いていた渋野が、メジャーで優勝争いする姿を誰が想像できただろうか。
欧州シニアツアーに参戦経験がある並木俊明プロは、4日間渋野のプレーを見てこう語る。
「予選落ちが続いていた時はパットが悪かった。パットが入らないからショットでピンに寄せようと無理をしてミスが出る。今回はスコアを大きく伸ばした初日と3日目は28パット。初日は1番で5メートルの下りのスライスラインを決めてから勢いに乗り3連続バーディーを奪ったのが大きかった」