「期限前トレード」はダイヤの原石を出してポンコツをつかまされるケースが多い
大リーグでは夏のトレード期限を前にポストシーズン進出を狙う上位球団が、下位球団から主力選手を獲得し、その見返りに若手やマイナーの有望株を放出する。このトレードはGM間の電話による即断即決の直接交渉で決まるため、判断ミスが生じやすい。
とくに大きなミスを犯しがちなのが上位球団のGMだ。目先の戦力アップに頭がいっぱいで、放出する有望株の将来性を吟味しないまま出してしまうからだ。ダイヤの原石を放出してしまった代表例は次の4つだ。
▶オリオールズは2013年、ローテ強化を狙ってカブスから先発のフェルドマンを獲得。見返りに防御率7点台で先発失格の烙印を押されたアリエタを放出した。フェルドマンの不調もあって、ポストシーズン進出を逃すが、カブスに移ったアリエタはカッターを多投して大化け。2年後には22勝してサイ・ヤング賞に輝き、カブスの108年ぶりのワールドシリーズ制覇に貢献した。
▶1997年ア・リーグ西地区首位を走るマリナーズは弱点だった抑えを強化するため、マイナー投手の有望株デレク・ロウと捕手の有望株ジェイソン・バリテックを放出し、レッドソックスからクローザーのスローカムを手に入れた。